⑤第二章 アトピーが生まれた背景 2

4 “面倒くさい”の現代人

 

悠長でありたい

 

 現代人は、なんでも口癖の様に面倒くさいと云います。便利、快適を追求するあまりに物事の本質が段々と見えなくなっているようです。面倒という言葉の影とその意味が持つ背景には、時間の短縮を良しとするところがあります。時間がかかることは面倒、手間がかかることは、時間がかかるので面倒等、

 

 “そんな悠長な事が云っていられる”とは、動作や態度などが落ち着いていて気の長い事を指します。現代では、まるで悪い事の様に使われていますが、時間を気にせず、悠長でいることは、とても本物な生き方で、質の良さすら感じます。本物の生活の向上を考えるのであれば、面倒くさいは、ありません。成し遂げる過程に時間をかけ、思いをかけることが、生きる上に大切になるのではないでしょうか?便利、快適も行き過ぎると、うっすっぺらな偽物になってしまいます。

 

偽物の生活の向上でせっけんまで嫌われて

 

 汚れを落とす際に使われる固形せっけんが、ポンプ式泡立て液体せっけんや、クリーム洗浄剤に変わっていきます。洗面所や台所には、手や顔を洗うポンプ式の洗浄剤や、食器洗い等の洗浄剤が、プラスチックの容器に納められ、何本も立っています。もともとは、一個のせっけんしかありませんでした。

 

 合成洗剤が普及して、それぞれの用途に合わせて、それぞれの濃さで、添加物が入れられ、石油などの揮発性の高い油で、洗浄力はあるだろうけど、明らかに肌に悪いこと位誰でもわかる様な製品が出回っています。処が、直接塗らずに薄めてくださいの記載や、ゴム手袋をはめて等の記載はありますが、実際には原液がジャブジャブ使用されます。台所、住宅用洗浄剤も、顔や手を洗う洗浄剤も、若干の濃さと、香料の違いだけで、内容成分は、主に合成の油、つまり石油を使っているようなものです。私たちは、固形せっけんの面倒くささを強調され、汚れ落ちの良さで客引きをする罠にかかってしまいました。白く輝く塗料と蛍光剤で塗られた服は、香料で香りづけされ、洗った気分で、毒がいっぱい付いたままで皮膚の上に置かれます。

 

 あなたは、ヒリヒリするくらい掻きむしった肌に、石油を塗り込むことが出来ますか?合成洗剤や、クリーム洗浄剤を使っているという事は、そのことと等しいという事です。クリームで汚れを皮下組織に閉じ込められた皮膚は、合成の香りを付けられ、綺麗になった気分と云うだけの行為を洗浄していると勘違いさせられ、結局は、アトピーが治らないという悪循環になってしまいます。

 

石油と人間のテンポの違い

 

 石油も元々は生物や植物が化石化して出来たものです。元が自然からできたとしても、何億年もかけて堆積されたものを便利だからと云って、ここ何百年で使い果たしてしまってどうするのでしょう。恐らく、石油は我々の日々の暮らしのエネルギーとして存在していません。地球という地盤を構成している中心のもので、簡単に採収して使って良いものではないと思っています。当然のことながら奪いあうものではないと思います。住んでいる場所の足元を掘って地盤沈下させる行為であり、直接人が介入してはいけないところだと神様が教えてくれているからこそ、事が色々と起こるのだと思うのです。戦争もエネルギー問題も自然破壊も、石油が絡んでいることが多すぎます。

 

 アトピーに良いかどうかは、石油と植物油(中には牛脂や馬油)、この違いです。人間の皮膚の作られる時間を遥かに超える石油の歴史。それは次元の違いと云っても良く、それ程の差があるから、人間には合わないのです。振動する領域が違うのです。合うわけがありません。全ての生きるものには、それぞれ固有のテンポがあり、そのテンポに合うものしかお互いが存在しあえません。テンポが違うとどちらかが振り落されてしまいます。人間同士でも気が合う合わないという時は、テンポの違いです。好きな音楽のテンポが違うようなものです。

 

同じテンポか短いテンポか

 

 合成洗剤とせっけんの違いは、石油と植物油。人間とはテンポが違いすぎる石油が、人間に合うはずがありません。作られる年数が違いすぎます。動、植物が存在している期間と人間が存在している期間は、差がありません。植物の人生の一サイクルは短いですから、人間の一サイクルに合わせることが出来ます。自分よりテンポの短いものは、自分のテンポ(波)に乗せることはできますが、自分よりテンポの長いものには、飲み込まれてしまうのと同じです。石油のテンポに飲み込まれる人間は、当然アトピーになります。つまり腐敗していくしかないのです。

 

 この位簡単な差なのです。見分け方は難しくありません。合成洗剤と書いてあれば、石油、せっけん成分と書いてあれば、石油でない油(通常植物油か牛脂)と云う事になります。

 

 掘れば取れる石油を使い、短い期間で安く製品を作り、お金が欲しいと云う時間に追われ、石油と云うテンポに飲み込まれて、結局不幸な時間を過ごすため、幸せな時間が少なくなって、高い買い物をさせられているのに、誰の為の人生で、誰の為の時間でしょうか?人間として存在できる大切な時間を、お金を生むための労働時間へと回され、時間を売って、望んでいない仕事をして、お金を得ることが本当に必要なのでしょうか?自分の為に、質の向上の為に時間を使いましょう。

 

 もう一度云います。田舎に戻りましょう。田舎は土地もあり、古民家が放置され、人が住んでくれないので寂しそうです。そこに住みましょう。豊かです。とても安く生活できます。なんなら自給自足に近い暮らしに思いっきり変えてみるのも良いかもしれません。毎日の労働が生きていることを実感させてくれます。

 

 どうしても都会で暮らすのなら、アトピーのお子さんには、年代の違う方々とのシェアハウスをお勧めします。皆に意識されて、愛いっぱいで育ちますから良いですよ。気の合う他人同士の付かず離れずのシェアハウス。江戸時代のような下町の生活がまた戻れば良いですね。

 

 衣類の洗剤を合成洗剤から粉せっけんに変えて、身体や顔は、植物油100%の固形せっけんに変える。台所用洗剤も、固形に変えて、重曹とクエン酸(自然素材です)を上手に使えば、ほぼ全ての洗浄剤がいらなくなりこれだけでアトピーが治ったという人も少なくありません。

 

面倒くさいを見直しましょう。

 

…Mao撮影:指宿長崎鼻にて

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